Project/Area Number |
08771066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 淑恵 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (20271041)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 硬膜動静脈奇形 / 静脈洞 / 圧 / 血管新生 |
Research Abstract |
平成7年からの硬膜動静脈奇形の成因についての研究に引き続き、今回、静脈洞閉塞部位と硬膜動静脈奇形の発生部位との相関、硬膜動静脈奇形の発生に対する血管新生因子の関与について検討した。 家兎を用いて、one-sinus occlusion model、two-sinus occlusion model、sinus & venous occlusion modelの3種の実験モデルを作製した。one-,two-sinus occlusion modelでは1カ月後の血管撮影で約半数の固体に硬膜動静脈奇形の発生を認めた。one-sinus occlusion modelでは上矢状静脈洞の、two-sinus occlusion modelでは全脳静脈洞の圧の著明な上昇を認めた。病変の発生部位は血栓閉塞した静脈洞部が最も多かったが、閉塞部よりも近位の脳静脈洞、顔面静脈にも病変が発生した。圧が上昇した静脈洞壁、および連続する広範な部分の脳硬膜でFGF濃度の上昇を認めた。sinus & venous occlusion modelでは、実験モデルの半数は頭蓋内出血を来たして死亡したが残りの半数では、脳静脈の静脈洞流入部に動静脈奇形の発生を認めた。これらの個体では、シャント血は脳静脈へ逆流、静脈洞内圧の上昇は認めなかった。FGF濃度の上昇は、病変に接した局所の硬膜のみでみられた。閉塞静脈洞の再開通により、sinus occlusion modelでは静脈洞内圧の低下とともに硬膜動静脈奇形の消失を3個体で認めた。FGF inhibitorの作用については今回の実験では不明であった。 これらの結果から、硬膜動静脈奇形は閉塞、あるいは閉塞後再開通した静脈洞のみに限局した病態でなく、頭蓋内静脈洞全体の循環動態と静脈洞壁内、硬膜内の血管新生因子とが相互に影響しあって形成さると考えられた。
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