鼻アレルギーにおける好酸球の局所動員機構と各種ケモカインに関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
08771376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中林 成一郎 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10271941)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 鼻アレルギー / 鼻粘膜 / 好酸球 / IL-5 / RANTES |
Research Abstract |
鼻アレルギーにおいて、症状の蔓延化、難治化を来す過程、即ち遅発相においては各種炎症細胞特に好酸球の鼻粘膜局所への動員が主要な役割を演じている。近年、好酸球の局所遊走因子としてCCケモカインが注目されており、中でもRANTES、MCP-3は、特異性の高い強力な遊走因子と考えられている。そこで、予備的実験として通年性鼻アレルギー患者に抗原誘発を行い、24時間後の遅発走における鼻腔洗浄液、鼻粘膜擦過片を採取しELISA法でRANTESの定量を行った。結果は、鼻腔洗浄液、鼻粘膜擦過片共に生物活性以下のごく微量が測定されるのみであった。気管支喘息においては、BALF中のRANTES濃度が正常例と比較して有意に高いことから、今回の結果は予想に反していた。従って、鼻アレルギー鼻粘膜において、本当に好酸球が動員され症状増悪に関与しているのか、また逆に治療により好酸球を抑制することが症状抑制に直結するのかを確認する必要が生じた。そこで、通年性鼻アレルギー鼻粘膜において以下の免疫組織化学的観察を行った。 好酸球の活性化因子であるIL-5に注目し、好酸球とIL-5陽性細胞の相関、並びに、IL-5産生細胞とされるT細胞、肥満細胞などの抗原誘発による影響及びステロイド点鼻後の消長を検討した。その結果、抗原誘発によりIL-5陽性細胞、活性化好酸球など全てのIL-5産生細胞が増加し、好酸球を巡るアレルギー反応系の憎悪が確認された。また、ステロイド点鼻によりIL-5陽性細胞の動態に変化を認めなかったが、全てのIL-5産生細胞が減少し、臨床症状も改善された。従って、好酸球を中心とした浸潤細胞の抑制が臨床的好酸球かを反映していることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)