鼻粘膜より産生される一酸化窒素の産生由来と機能的意義の解明
Project/Area Number |
08771382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花澤 豊行 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (90272327)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 鼻粘膜 / アレルギー性鼻炎 / 慢性副鼻腔炎 / 血液ガス交換 |
Research Abstract |
1)手術時に得られる鼻粘膜標本(アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎)において、一酸化窒素合成酵素(NOS)の存在を免疫組織化学法を用いて確認した結果、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎の鼻粘膜ともNOSは、上皮細胞および血管平滑筋細胞に陽性所見を示した。しかし、両者における染色性に有意な差は認められなかった。このことより鼻腔内NOの産生部位は上皮細胞もしくは血管平滑筋であることが予想される。 2)正常コントロール、アルレギ-性鼻炎患者における鼻腔内一酸化窒素(NO)濃度を測定するとともにacoustic rhinometryを用い鼻腔内容積を測定し、単位面積あたりの産生量を比較検討した結果、アレルギー性鼻炎患者においては有意に鼻腔内NO濃度が上昇していることを確認した。また、手術患者の協力のもと、鼻腔、上顎洞におけるNO濃度を副鼻腔炎症例、正常例にて上記同様単位面積あたりに換算し比較検討した結果では、副鼻腔炎症例においては鼻腔内NO濃度が上昇しているものの、NOの産生量に鼻腔と副鼻腔では有意な差がないことを確認した。この結果より鼻腔内NOガスは炎症により産生が増加することが確認できた。今後はこの機序にいかなるサイトカインが関与するかを検討する。 3)鼻腔内NOの下気道における生理学的影響を検討するため、鼻呼吸と口呼吸において咽頭におけるNOガス濃度を比較するとともに、血液ガス交換の指標の一つである有効肺血流量を比較したところ、口呼吸に比べ鼻呼吸では有効肺血流量が増加する症例が多いことが確認できた。この結果は、鼻腔内NOガスが下気道の血液ガス交換に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。今後は吸気中のNOが関与することを確認するため、鼻呼吸時と同濃度のNOガスを口呼吸時に吸入させ有効肺血流量が改善するか否かを検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)