造影剤が誤嚥時におよぼす、気道及び肺胞への刺激性に関する基礎的実験
Project/Area Number |
08771385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
手塚 克彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90261990)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 誤嚥 / 肺水腫 / 咽頭食堂造影 |
Research Abstract |
【目的】誤嚥患者の嚥下機能検査としての食道造影は広く実施されているが造影剤を誤嚥した時の下気道への安全性についてはあまり研究されていない。これまでは、気管支造影剤が使用されていたが、現在は発売中止となっておりまた、硫酸バリウムは気道内へ溜まり肉芽形成の可能性があるといわれている。そのため食道造影剤としての適応がない血管造影剤を使用する傾向にあるが血管造影剤でも高浸透圧のものは肺水腫を引き起こすとされ、低浸透圧の血管造影剤の使用が勧められている。我々は、これらが誤嚥によって気管支、肺胞に入った場合の臓器への影響について調査するため、ラットを用いた造影剤の誤嚥モデルを作成し、種々の造影剤をラットの肺に注入し、急性期の肺の病理所見を観察した。更に肺水腫の病態を定量的に調べるため肺の乾湿重量比を測定し、病理所見と併せて肺水腫の実体を観察した。 【方法】ラットに麻酔下、気管切開をおこない、レスピレータ管理とした。直接検査液(血管造影剤、バリウム、生理食塩水)を1ml/kg気管内に注入。注入後1時間経過した後、肺を摘出した。1グループはホルマリン固定とし、H-E染色にて病理組織学的に観察した。また、他の1グループは摘出した肺の重量を計測し、その後低温装置にて加熱し、乾燥させたのち乾燥重量を測定し、乾湿重量比を求めた。 【結果と考察】病理組織学的所見では注入後1次間で既にバリウムでは肺胞内へのバリウムの沈着と軽度の炎症所見を認めた。血管造影剤でも既に肺水腫を惹起していたが、その程度は浸透圧には依存しなかった。乾湿重量比では、血管造影剤の浸透圧に比例して、重量比の上昇が認められ、浸透圧の高い造影剤は肺水腫を惹起しやすいことが推測された。
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Report
(1 results)
Research Products
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