Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
高齢化社会をむかえ,歯槽骨吸収の著しい症例や床下粘膜の非薄に起因する咬合時疼痛を訴える症例などいわゆる無歯顎難症例の増加が予想され,このような症例に対しては,粘弾性体としての性質を持つ軟質裏装材を使用しなければならない場合が増えるものと考えられる.また,歯科医院に来院できない高齢者や老人病院などの介護を要する高齢者にとって,不適合義歯を暫間的に裏装する目的で,義歯安定材の使用頻度も増えるものと考えられる.そのため,理想的な軟質裏装材,義歯安定材の開発を行い,その性質を十分に活用した使用法を検討する必要がある.しかし,軟質裏装材,義歯安定材の裏装法を粘弾性解析,負担圧分布の両面から検討した研究はみられない. そこで,軟質裏装材,義歯安定材の材料学的特性の差が緩圧効果に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,粘弾性解析法を用いて軟質裏装材とその裏装法の違いが床下組織の応力分布に及ぼす影響について報告した.また,衝撃試験により軟質裏装材の衝撃緩衝能について報告した.義歯安定材においては,微小静電容量型圧力センサを用いたシミュレーター実験から,義歯安定材が義歯床下組織の負担圧分布に影響を及ぼすことを示した. 今回の研究では,軟質裏装材,義歯安定材の作用機構を明らかにし,特性に適した裏装法について検討を加えることを目的として,裏装法の違いによって床下組織の負担圧分布がどの様に変化するか粘弾性解析と模型実験の両面から解析した.またその結果から,軟質裏装材と義歯安定材の作用機構が明らかになり,効果的使用法と材料開発のための指標が得られた.
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