Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では事例地域の伊豆半島において最小流域面積と相対水流次数にもとづく簡便でかつ一貫した流域区分の方法を確立し,区分された小流域ごとに現地踏査を行うと地域生態系の中規模の広がり(1〜100kmのオーダー)を効率的に把握できることを,二次林の優占型について具体的に提示した.本研究で確立した流域区分の手順は,以下のとおりである.(1)中地形のレベルで低地と台地を区分し,山地および丘陵地を抽出する.(2)山地および丘陵地について,海や湖などに注ぐ「最高次流域」を区分する.(3)最小流域面積を設定する(本研究では便宜的に4km^2とした).(4)「最高次流域」の細分:まず地形図上で河川の合流点に着目して相対的に水流次数が高いとみられる支流域を仮に区分する.同様にそれぞれの支流域を,相対的に水流次数が低い流域へと順次,仮区分していく.一方で,最小流域面積を越える小流域を区分し,これ未満の面積の小流域は相対的に次数の高い小流域に含める.このような作業の結果,対象地域は,4〜12km^2程度の広がりをもつ84の小流域とその他の地域とに一義的に区分された.現地踏査は,それぞれの小流域の標高400m以下の領域において,二次林の主な構成種の優占群落を対象として行った.調査方法は,ある林分において特定の樹種の優占度(Braun-Blanquetによる)が4または5であった場合にその樹種の優占型と認めて,1:25,000の地形図上に記入した.その結果,以下に示すような,二次林植生における優占種レベルでの中規模の植生構造が明らかになった.シイ林:半島の内陸北東部を除く一帯(うちスダジイ林は主に東海岸)に分布.ウラジロガシ林:山地部を中心に分布.シラカシ林:狩野川流域の内陸側のみに分布.ウバメガシ林・タブノキ林:半島西部〜南部のみに分布.コナラ林・クヌギ林:全域に分布(ただし南部で少ない).ヒメシャラ林:北部の一部の地域のみに分布.
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