Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
天然アトロープ異性体ビフラボン(-)-4', 4''', 7, 7''-Tetra-O-methylcupressuflavoneの絶対立体化学は、単離されてから20年もの間未決定であったが、1992年に原田らはCDの理論計算^<(1)>によって、初めて明確に(R)配置と決定した。さらに1995年になって、林さんの研究グループによってラセミブフラボンの光学分割とX線結晶解析による検討^<(2)>が報告された。しかしその結果は以前とは反対の(S)配置となり、ビフラボンの絶対立体化学は混乱していた。 我々はビフラボンのキラル全合成を達成して、その絶対立体化学を実験的に証明した。すなわち、ビフラボン合成の鍵中間体であるビフェニル体を、固相フェノール酸化カップリング反応などによって効率良く合成し、その光学分割によって光学活性なビフェニル体とした。X線結晶解析によって明確に絶対立体化学を決定したビフェニル中間体からさらに誘導化を行い、光学活性ビフラボンを合成した。そのCDスペクトルと天然物のCDスペクトルを比較することによって、天然物の絶対立体化学を明確に(R)と決定した。この結果は、以前の理論計算による決定が正しいことを示している。 (1) Harada, N.; Ono, H.; Uda, H.; Parveen, M.; Khan, N. U.; Bhatnagar, S. P.; Dutta, P. K. J. Am. Chem. Soc. 1992, 114, 7687. (2) Zhang, F. J.; Lin, C. T.; Huang, Q. C. J. Org. Chem. 1995, 60, 6427.
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