タンパク質の高次構造に依存する抗原エピトープ同定法の開発
Project/Area Number |
08877282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 博夫 九州大学, 歯学部, 助手 (40213079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 正 九州大学, 薬学部, 助教授 (90184928)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | タンパク質の高次構造 / 抗イディオタイプ抗体 / リコンビナント単鎖Fv抗体 / エピトープ / II型コラーゲン / ホモロジーモデリング / 核磁気共鳴(NMR) / タンパク質の結晶化 |
Research Abstract |
タンパク質の高次構造に依存するB細胞抗原エピトープの実体を解明するための方法論の確立を目指して本研究を遂行した。実験材料として、未変性II型コラーゲンに表現される高次構造をエピトープとして認識するマウスモノクローナル抗体(mAb1)と、mAb1に対する抗イディオタイプ抗体(mAb2;mAb1が認識するII型コラーゲンの高次構造依存性エピトープを模倣することが示唆されている)に由来するリコンビナント単鎖Fv抗体を用い、両者の結合に関わる因子を解析した。両抗体は互いの重鎖V領域と軽鎖V領域の両者からなるタンパク質の高次(四次)構造を認識し合うものであることが判明した。両抗体間の相互作用をホモロジーモデリングにより分析した結果、結合面中央における静電相互作用、および周縁部の芳香環同士の疎水性相互作用によって、両抗体が結合する様式が示唆された。相互作用に関与すると考えられるアミノ酸残基は、MAb1,mAb2共に、重鎖と軽鎖の両方の多数のCDR領域に分布していた。コラーゲン分子のホモロジーモデリングを行ったところ、さらに精密な結合様式に関する情報が、エピトープ候補部位を絞り込むために必要と判断された。そこで、精製Fv抗体のNMRによる解析を行った。最初に一次元^1H-NMRでの解析を行ったが、^1Hの利用により十分な情報を得るのは困難と判断した。そこでCDR領域にある各Fvのメチオニン残基に注目して、まずmAb1-Fvへのメチオニン側鎖特異的^<13>C標識法の諸条件を決定し、^<13>C-NMR測定を行った結果、本法がFv抗体の結合様式を解析するために有効であることが明らかになった。また、各Fv抗体および両者の免疫複合体の結晶化を試みた。これまでのところmAb1-Fvと複合体の結晶化には成功していないが、mAb2-Fvの微小結晶が得られたので、この条件を元にX線解析の測定に用いうる大きさまで結晶を成長させる条件を検討している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)