ストップトフローによる浮遊赤血球の高速形状変化の顕微観察
Project/Area Number |
08878111
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
|
Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
佐野 孝之 大分医科大学, 医学部, 教授 (90112169)
|
Project Period (FY) |
1996 – 1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | ストップトフロー / 赤血球 / 形状変化 / 高速ビデオカメラ / 顕微鏡観察 / 動的研究 / 顕微観察 / 動的形状変化 |
Research Abstract |
外部刺激による細胞の形状変化の動的情報を得るため溶液内の高速反応の研究法の代表ともいえるストップトフロー法の応用を試み、混合・停止系の不感時間は11.3ミリ秒、リザーバーにある反応溶液A,Bはあらかじめ循環水によって温度37℃に制御、混合器容量が10.5μl、観測セルの光路長0.2mm、容量8μlで、プレパラート全体が37℃の循環水で温度制御された光学顕微鏡の恒温ステージにマウントされた装置を開発し、光散乱あるいは吸光度変化は赤血球の形状変化を反映し、形状変化の間接的検出法として利用できることを明らかにし、形状変化の動的研究の道を開いた。また形状変化の直接観察のため通常のCCDカメラと高速ビデオカメラを用いて録画し、ビデオ画像をパソコンに取り込み、画像処理により赤血球の断面積の経時変化を解析した。一方、薬物添加による赤血球の形状変化について、特に陰イオン性の界面活性剤で、エキノサイト型誘起物質であるアルキル硫酸ナトリウムと赤血球との相互作用について、結合等温曲線測定をはじめ、顕微鏡観察、光散乱あるいは吸光度(濁度)測定を行い、各種物理量と赤血球の形状変化との相関を調べてきた。その結果、界面活性剤の赤血球膜への結合は大きく分けてバンド3を代表とする膜蛋白質への疎水的結合と隣脂質部分への協同的結合の2種類に分類できる事を明らかにした。さらに新しく2ミリ秒間隔で画像が取り込める高速ビデオを導入することによりこれまで確認されていなかった速い時間領域(30ミリ秒以内)に形状がすでに変化していることを明らかにした。これらの成果は赤血球のみならず広く細胞の形状変化の時間分割に関する研究に対して基本的かつ重要な情報を提供するものであり、当初の目的を達成することが出来た。
|
Report
(3 results)
Research Products
(8 results)