擬態しているカマキリを用いた擬態を司るホメオボックス遺伝子の同定
Project/Area Number |
08878137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野地 澄晴 徳島大学, 工学部, 教授 (40156211)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | カマキリ / コオロギ / 擬態 / 形態形成 / ホメオボックス遺伝子 / シグナル分子 / 昆虫 / ヘッジホッグ / ウイングレス / 60A / whole-mount in situ hybridization |
Research Abstract |
昆虫類の形態形成に関する分子レベルの研究は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)についておこなわれている。最近、発生の初期過程で前後軸、背腹軸、遠近軸の決定に関与する遺伝子であるホメオボックス遺伝子や分泌蛋白質をコードするhedgehog(hh),wingless(wg),decapentaplegic(dpp)が重要な役割を果たしていることが明らかにされている。しかし、完全変態類であるハエとは発生様式が異なるカマキリなどの不完全変態類の形態形成に関する知見は極めて少ない。本研究では、擬態した昆虫類にみられる多様な付属肢の形態形成に共通する基本メカニズム、また擬態に特有な付属肢形態を生み出すメカニズムを分子レベルで解明することを目的とし、まずテストケースとしてカマキリと同じ不完全変態類に属するフタホシコオロギ(Gryllus bimaculatus)を用いて付属肢形成に関与する遺伝子のクローニング、whole mount in situ hybridization法による発現パターンの解析を行った。まず、3種類のcDNA(コオロギhh,wg,dpp cDNA)を単離し、予想されるアミノ酸配列を比較した結果、いずれの遺伝子もショウジョウバエhh,wg,dpp遺伝子と高い相同性を示した。次にwhole mount in situ hybridization法を用いて、コオロギ発生過程におけるhh,wg,dpp遺伝子の発現パターンの解析を行った。また、ホメオボックス遺伝子であるDIIの発現パターンも解析した。その結果、付属肢形成初期過程における遺伝子の発現パターンはショウジョウバエ脚成虫原基におけるパターンに似ており、従って、擬態している昆虫の初期過程における付属肢形成のメカニズムも他の昆虫と共通していると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)