第一原理計算によるナノ磁性体の超微細構造定数に関する理論研究
Project/Area Number |
08F08028
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川添 良幸 Tohoku University, 金属材料研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAHRAMY Mohammad Saeed 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
BAHRAMY Mohammad Ssaeed 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 密度関数理論 / シリコンフラーレン / 超微細構造 / グラフェン / 水素貯蔵 / 金属間化合物 / スピン依存輸送 / 磁性 / Magnetism / Hyperfine structure / Ab initio / Si Fullerene / Graphene |
Research Abstract |
2009年4月より、(1)シリコンクラスターにおける磁性、及び超微細構造、(2)水素添加グラフェンシートの電気的、磁気的構造、(3)CeMnNi_4における相安定性、磁性、及びスピン依存性の三つのテーマについて研究してきた。(1)に関して、M=Cr,Mn,Feといった遷移金属原子を添加したSi_<16>H_<16>フラーレンの磁性、及び超微細構造について密度関数理論を用いて研究を行った。[1]全ての条件においてフラーレンは自由原子Mに関して同じ磁気モーメントを持ち、それはSi_<16>H_<16>上への部分的な再分配により局在化した。しかしながら、フラーレンと自由原子Mについて等方的な超微細構造パラメーターA_<iso>の結果を比較するとMn,Fe添加の場合は定量的にも定性的にもCr上での振る舞いはほとんど同じにもかかわらず、かなり異なる結果が得られることがわかった。Mn、Fe原子の添加はM原子の核におけるスピン密度ρ(R_M)、及び類似したA_<iso>の値を増加させる。SOMOs(Singly Occupied Molecular Orbitals)によって引き起こされた殻スピン分極の傾向の解析を行うことで、MnとFe原子によるA_<iso>の値の増加の直接的な原因が、SOMOsの増加によるρ(R_M)の変化と間接的には原子殻のs,p軌道において添加物の3d軌道が混成することにあるということがわかった。後者は結果として、殻内2s,3s軌道のスピン分極の減少を示し、ρ(R_M)への寄与を減らす結果となった。上記テーマとは別に、私は水素原子が添加したグラフェンシートの電気的、磁気的構造について広い範囲で研究を行った。この研究は近年のSTM(Scanning Tunneling Spectroscopy)の研究[2]によって動機づけされており、これは楕円、恒星状の特徴によってイメージを与えている。そのようなほとんどグラフェン上に水素原子が貯蔵されていない単一的な幾何学的配列から提案されたものである。グラフェンシートに関するSTM第一原理計算を基に表面に吸着した水素二量体、三量体クラスターから創出するためにそれぞれの特徴は以前に研究した。[3]我々の研究では三量体及びいくつかの二量体クラスターは大きな磁気モーメントを表面上で示す事がわかっている。そのような磁気特性は結局、表面上の構造変化が原因であることがわかった。加えて、グラフェンの電気的な構造は大きな変化を伴なった。そのため、大きなスピン分極の値を小さなバイアスをかけるだけでフェルミレベルに達する値まで引き上げる可能性がある。最終的に、私はCeMnNi_4の金属中不純物の相関的な構造安定性、磁性、及びピン依存遷移について電気相互作用の効果を調べるために第一原理計算を行った。[4]実験的に観察されたCeMnNi_4の立方晶系の再現を行うために決定的な役割を得るため、遷移スピン分極の割合(~66%)だけでなくMn-3d電子のクーロン反発力の正しい値を示した。これらはこの組成において二つの基本的な特性であり、これは従来の密度関数理論においては正しく予測することはできないものである。この失敗の原因はMn-3d電荷の非局在化過多によるものであり、MnとNi原子の間に斜方晶系の相の下でd-dの混成を引き起こす。そのような人工的な混成は次々に斜方晶における禅エネルギーの相対値を下げる。これは正方晶のものに関してのことである。これはキャリア密度、フェルミ準位における駆動力において不正確な値を与え、結果的に半分に近い金属添加物において輸送スピン分極のずっと低い割合を導くこととなる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)