Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
培養神経細胞を用いた脳研究では,細胞への電気刺激や細胞外電位の電気生理計測のために微小電極アレイ(microelectrode array, MEA)が広く用いられてきた.しかし,基板上の神経細胞の密度と比較して,MEAの電極密度は圧倒的に低いため,大部分の神経細胞にはアクセスできない.この問題点を解決するために,本研究では,第一に,海藻由来のチャネルロドプシン2(Channelrhodopsin-2 ; ChR2)というタンパク質に注目した.同タンパク質は,光感受性イオン透過チャネルである.細胞膜にChR2を持つ神経細胞は,青色光を受けると約1msという極めて短時間で脱分極する.これを培養神経回路に遺伝子工学的手法で発現させれば,光によって目的の細胞を自由に刺激ができる実験系を構築できる.本研究では,培養神経回路を機能化誘導するChR2実験系を構築するために,簡易で効率の良いトランスフェクションの方法を調べた.その結果,プロモータをEF1αとし,比較的細胞播種密度が低いときに,リポフェクション法を用いれば,最も高い効率でChR2を発現させられることがわかった.さらに,ChR2を発現させた培養神経回路に局所的な光照射を与え,その応答をCa2+イメージングで調べたところ,単一細胞を選択的に刺激できることを示した.第二に,CMOSアレイ上で神経細胞を培養することを試みた.同アレイは,1.8mm角の計測領域に,11,011個の電極を有する.各電極の直径は7um,電極間距離は17um,サンプリング周波数は20kHzと,計測の時空間分解能は極めて高い.その結果,神経細胞の直径は数10umとCMOSアレイの電極間距離と同等なため,複数の電極で1細胞を計測できることを示した.さらに,電気刺激を軸索に加えることで,活動電位が伝播する様子も可視化できた.
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