Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
窒化アルミニウム(AlN)は,6.2eVと広いバンドギャップを有し,また,GaNやAlGaNと格子定数や熱膨張係数が近いため,深紫外発光素子として期待されるAlGaN系LEDの理想的な基板材料として注目されている.AlNは高温で安定でかつ音速が速いため,SAWデバイスやハイパワー電子デバイスとしても期待される材料である.このように,高品質単結晶AlNの厚膜成長は,工学上重要な研究課題である.本研究では,サファイア窒化法によって得られた高品質AlN薄膜をテンプレートにして,反応性スパッター法によって1μmの厚膜AlNの成長を試みた.以下にその概要について説明する.a面サファイアを窒化して得られたc軸配向AlN薄膜をテンプレートにして,高周波スパッター法によってAlN膜を成長させる.ターゲット材料はAl(99.999%,直径10cm)を用いた.テンプレート基板は,アセトンとエタノールで超音波洗浄した後,基板温度300℃,スパッター圧力1.33Pa,高周波出力500W,ガス組成(アルゴン60%-窒素40%)の条件で2時間の蒸着を行った.作製したAlN膜の結晶品質と配向性は,X線回折(XRD)によって評価した.AlN結晶の断面微細構造は,高分解能電子顕微鏡像(HRTEM,400kV)を用いて観察した.窒化AlN膜とAlN厚膜の界面のHRTEM像から,窒化AlN膜は5-10nmの高品質結晶であり,スパッター法により成長したAlN膜は,界面近傍では,多結晶を呈しており,厚くなるにつれて柱状組織となることが分かった.本研究によって,高品質窒化AlN膜をテンプレートにすると,300℃という低温のスパッター法でも高品質なc軸配向AlN厚膜を得ることができることが分かった.今後,結晶品質をより向上させるための高温アニールなどを試し,柱状結晶組織の変化を観察したい
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