Project/Area Number |
08F08088
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
長濱 嘉孝 National Institute for Basic Biology, 生殖生物学研究部門, 特任教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHOU Linyan 基礎生物学研究所, 生殖生物学研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Cytochrome P450c17 / 17・-hydroxylase / 17,20 lyase / Steroidogenesis / Meiosis / Teleost fish / Gonad / Sex differentiation / 17α-hydronxylase |
Research Abstract |
申請者はこれまで脊椎動物、特に哺乳類を対象とする研究者が長年競って研究してきたチトクロームP450c17が有する2つの酵素活性の制御機構について、魚類では17α-水酸化酵素活性とライエース活性とが2つの異なる酵素蛋白質によって調節されていることをはじめて明らかにした(P450c17-I,とP450c17-I-II)。本年度は、P450c17-IIの減数分裂及びコーチゾル合成に果す役割を明らかにする目的で、この遺伝子の機能欠失実験(RNAi法による遺伝子ノックダウン)を行った。P450c17-IIをノックダウンした個体は孵化後に死亡する個体が増加したが、飼育水中にコーチゾルを添加すると生存率が高まった。ノックダウン個体の頭腎組織のステロイド産生細胞は異常を示した。これらの結果から、P450c17-IIは頭腎におけるコーチゾルの合成に重要な役割を果たすことが強く示唆された。一方、P450cl7-II遺伝子のノックアウト後にも生存したXX個体では、しばしば雄への性転換が認められ(鰭などの外部形態も典型的な雄型を示した)、このような性転換雄魚は正常なXX雌との交配により正常な雌稚魚が得られた。先行実験の結果とあわせ、P450c17-IIは17α,20β-DPの合成促進と作用を介して、XX個体の生殖腺における正常な発生と発達に何らかの役割(例えば、雌の生殖細胞に特徴的な減数分裂の誘起)を果たしている可能性が示唆された。本研究ではまた、卵巣分化に重要な役割を果たす他の因子の検討も行ったが、R-spondinl(Rspol)についてきわめて興味ある結果が得られた。XX受精卵でRspo1遺伝子をノックダウンすると雄への性転換、さらにXY受精卵にRspo1遺伝子を微小注して過剰発現させると雌への性転換が起こった。また、XX胚及びXY胚の生殖腺の正常発生を詳しく観察した結果、RspolはメダカのXX胚の性分化期の生殖細胞に特異的に発現することがわかった。これらの結果を総合すると、R-spondinl(Rspol)はメダカにおいて卵巣の分化(卵巣の形成)に不可欠であることがはじめて明らかになった。
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