計算科学手法による安全性・経済性に優れた革新的原子炉の開発研究
Project/Area Number |
08F08410
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二ノ方 壽 Tokyo Institute of Technology, 原子炉工学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MERZARI Elia 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 原子炉炉心設計 / 原子炉安全性 / シミュレーション / 大渦シミュレーション / 非定常乱流モデル / 稠密燃料集合体 / 偏心二重円環流路 / 冷却材流路最適化 / ナノ流体 / 高速炉 / 受動安全性 |
Research Abstract |
本研究課題は、長寿命・高燃焼度を達成しつつ、想定外の事故が発生しても自動的に炉心出力が低レベルで整定し、冷却材の自然循環による除熱が可能となる自己制御性を有する高速炉炉心および受動安全性に優れた中小型軽水炉の実現に資する技術開発である。 まず、精緻な大渦シミュレーションと、非定常乱流モデル汎用解析コードによるシミュレーションに基づく仮想デザイン工房を構築し、原子炉機器の健全性に関わる並行噴流の不安定性を解析するとともに、プラントの配管系に多く見られるTジャンクションにおける流体混合メカニズムの解明を行った。安全性とともに経済性に優れた原子炉炉心において共通するのは、冷却材流路が狭い稠密格子配列の燃料集合体の採用である。定常時、事故時のいかなる条件を想定しても、整定出力状態での冷却が確保できる炉心燃料形状と冷却材流路の最適化を数値シミュレーションで実施して、より平坦な流速分布および温度分布が得られることを示し、その結果炉心設計における安全祐度の増大が達成されることを明らかにした。これらの計算結果の信頼性を保証するために、集合体流路形状に類似な偏心二重円環流路など、単純流路内の乱流ベンチマーク計算を多数実施し、乱流構造の非等方性に起因する流れの不安定性などの機構を同定するとともに、統計的な手法を活用した、より客観的・定量的な検証のあり方を提案した。また、熱泳動モデルによってナノ流体による冷却性能の飛躍的改善が説明できる可能性を示すとともに、ナノ流体を媒体とするサーモサイフォンを原子炉の非常時冷却系へ応用することが提案された。 革新的な原子炉を設計する場合、数値シミュレーション技術を大幅に取り入れた設計手法を採用することが不可避である。そのシミュレーションによる設計は、原子炉設計に要求される極めて高い信頼性と安全性を担保する必要があり、シミュレーションそのものの信頼性の向上と検証のあり方が問われる。本研究成果はこうした課題を解決する方策を与えるものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)