Project/Area Number |
08F08444
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉村 幸則 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAS Shubash Chandra 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ニワトリ / 卵管 / 精子 / TGFβ / 精子生存 / 抗菌ペプチド |
Research Abstract |
鳥類では卵管の精子貯蔵細管で精子が数週間生存できるという特性があり、本研究はこの機構の解明を目指したものである。精子は卵管で貯留されている間に、雌固体の免疫応答から回避し、同時に微生物による感染に対して防衛することが必要である。トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)は免疫応答を抑制するサイトカインである。Toll様受容体(TLR)は微生物のパターンを認識して細胞の免疫応答を開始させ、トリβディフェンシン(avBD)は抗菌ペプチドで種の微生物を死滅させる。前年度までに、精子貯蔵細管の上皮細胞を精子と共培養すると上皮細胞のTGFβmRNA発現が子宮膣移行部で上昇することを示した。精子はTLR2と4を含むTLR群とavBDのmRNAを発現し、TLR4のリガンドであるグラム陰性菌の成分(リポ多糖)で刺激するとavBDの発現が増加することも明らかにした。今年度はこれらの結果を充実させる実験を行い以下の結果を得た。雌鶏に人工授精を施すと、精子貯蔵細管の上皮細胞でTGFβ蛋白が増加することを免疫組織化学的に明らかにして、精子の刺激による同上皮細胞のTGFβ産生の増加が生体内でも起こること確認した。なお、精子が産生するTGFβが白血球の活動を抑制する可能性も検討したが、これを実証するまでには至らなかった。精子のavBD mRNA発現はTLR2のリガンドであるグラム陽性菌の成分(Pam3CSK4)によっても増加することを明らかにした。以上、本研究の結果として、精子は卵管内で、TGFβの作用による抗精子免疫応答の抑制と、TLRの微生物の認識に続くavBDの産生によって自己を防衛することにより、長期間にわたって生存できることを示唆した。
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