膜タンパク質の生体膜上での挙動解析に関する計算技法の開発
Project/Area Number |
08F08453
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星野 忠次 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Xin Li 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
LIU XinLi 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 脂質二重膜 / 膜タンパク質 / 計算予測 / 分子動力学計算 / 生体情報伝達 / 医薬品開発 / 構造変化 / ソフトウェア開発 |
Research Abstract |
薬の標的となる受容体タンパク質の多くは、生体膜に結合あるいは包摂されて存在している。従って、受容体タンパク質の機能解析を理論計算により実行するには、生体膜も含んで、モデル化し、理論計算を実行する必要がある。本研究では、脂質二重膜とタンパク質分子ならびに薬物分子の相互作用に関して、脂質膜を含んだモデル計算による解析を行っている。本年度は、Gタンパク質共役型受容体と生体膜との相互作用解析を行った。 生体膜上での生体分子のダイナミクスは、その重要性は認識されてはいるものの、モデル作成が複雑になる上にモデルサイズが大きくなるので、理論的解析の報告例が少なかった。本研究のアプローチは、生体膜上の分子の挙動を、タンパク質が存在している環境も含めて解析している点で、これまでのシミュレーションとは異なる。計算からは、コレステロールが膜に含まれるとGPCRの動きが活発になることが判った。GPCRは、情報伝達物質が結合するとコンフォメーション変化を起こして、これが細胞内に外部からの情報を伝える手段となる。従って、コレステロールを含む幕での計算結果は、膜組成がGPCRの機能に関与していることを明確に示す有用なデータである。また、リガンドが結合すると膜貫通領域が膨らみ、結果として膜厚方向のGPCRの長さが若干短くなることもわかってきた。Gタンパク質共役型受容体は、生体膜に貫通して存在し、生体の情報伝達に関与するため、医薬品の格好の標的分子である。GPCRを標的とする薬は、現在、医薬品の売り上げの半分を占め、製薬業界では熾烈な開発競争が展開されている。今後、GPCRと薬物との相互作用に基づく構造変化を詳細に解析し、医薬品等の設計に踏み出してゆく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)