ロタウイルスの遺伝学的多様性と種間伝播に関する研究
Project/Area Number |
08F08463
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 宣道 Sapporo Medical University, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GHOSH Souvik 札幌医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ロタウイルス / 種間伝播 / 動物 / 遺伝子再集合 / 系統 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト由来のA群ロタウイルスで非定型的性状を有するもの、および動物ロタウイルスについて遺伝子解析を行い、動物とヒトの間におけるロタウイルスの感染・伝播の様態を明らかにすることである。今年度は次の3つの研究成果を得た。(1)昨年度から解析を行っていたウシ由来B群ロタウイルスについて、9種類の遺伝子分節のクローニングと遺伝子配列の決定を行なった。系統解析の結果、ウシB群ロタウイルスはヒト、マウス、ヒツジのB群ロタウイルスとは異なる系統に属し、B群では動物間の伝播は稀であることが示唆された。(2)ヒトロタウイルスの世界的な新興型として認識されるG12型ウイルスの由来について探るため、動物で唯一G12型が検出されているブタのG12型A群ロタウイルスRU172株について、その全遺伝子配列を決定し解析した。その結果、一部の遺伝子分節はあるヒトロタウイルス株に非常に近いものの、他の遺伝子分節はブタロタウイルスの配列と高い一致率を示した。この知見から、ブタおよびヒトのG12型ロタウイルスは、ブタとヒトのロタウイルスの遺伝子再集合体であった可能性、またはブタとヒトのG12ロタウイルスが同じ共通の祖先ウイルスに由来し、別個に分子進化したことが示唆された。(3)ヤギA群ロタウイルスについて初めて全遺伝子配列を決定し(G034株)、既知のヒト・動物ロタウイルスと系統解析を行った。その結果、ヤギロタウイルスの一部の遺伝子分節はG6, G8, G12などの非定型的ロタウイルスの遺伝子分節と高い一致率を示した。このことからヒトの非定型的ロタウイルスの形成にヤギロタウイルスの伝播、遺伝子再集合が関与したことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)