超分子ハイブリッドナノチューブおよびナノファイバーによる生体分子の選択的認識
Project/Area Number |
08F08503
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
清水 敏美 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノチューブ応用研究センター, 副研究センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Soo Jin 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノチューブ応用研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 自己集合 / 非対称くさび形脂質 / オリゴグリシン / 脂質ナノチューブ / 水素結合 |
Research Abstract |
本研究テーマでは、脂質分子の集合体である脂質ナノチューブやナノファイバーにおいて、特定の官能基が特にチューブ内表面にのみ局在化し、ゲスト物質がナノチューブの中空シリンダー内に包接された時のみ、その官能基とゲスト物質が相互作用し、認識系が作用する超分子ハイブリッドナノチューブを合成することを目的とする。平成21年度では、金属カチオン配位能をもつ非対称くさび形脂質のハイドロゲル形成能の可否、金属カチオン配位型ハイドロゲルの芳香族薬物の吸着・徐放特性を検討した。脂質分子の一方の親水基にグルコース、他方の親水基にカルボン酸末端をもつオリゴグリシンを持つ非対称くさび形脂質を水中で自己集合させたところ、ハイドロゲルが形成された。このゲルは、透過型電子顕微鏡観察から、内径がおよそ6nmで壁の厚みがおよそ3.5nmの脂質ナノチューブから形成されていることが示された。この脂質ナノチューブに銅(II)イオンを含む水溶液を加えたところ、内表面のカルボン酸と銅(II)イオンが2対1の比で錯化していることが熱重量測定から確認できた。さらに赤外分光測定から、ナノチューブ構造がオリゴグリシン同士の水素結合により安定化されていること、カルボン酸基と銅イオンとが2対1の比で塩を形成していることが示された。これら脂質ナノチューブを用いて、芳香族薬物であるスルファサラジンの吸着・徐放特性を検討した。紫外可視分光から、内表面に銅を錯化した脂質ナノチューブのみ、スルファサラジンを効率的に包接できることが示された。スルファサラジンの放出挙動のpH依存性を検討したところ、アルカリ性にすることにより、スルファサラジンが脂質ナノチューブから徐放される挙動が観察できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)