マイクロ流体技術による初期胚内ノード流計測制御システム開発と非対称性解明への応用
Project/Area Number |
08J00069
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Microdevices/Nanodevices
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 恭介 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ノード繊毛 / マイクロPIV / 数理モデル / 協同性 / Particle Image Velocimetry / ノード流 / 繊毛 / マウス初期胚 |
Research Abstract |
ヒトに最も近いモデル生物であるマウス胎生期個体において受精後7日後から8日後にかけて胚の正中線上にあるオーガナイザー(ノード)内で体の左右が決定される。ノード内の繊毛細胞が左向きの流れを発生し非対称な遺伝子発現を誘導すると考えられている。本研究課題ではノード流の発生機構を繊毛の回転運動と流れの定量解析から明らかにする。今年度は繊毛の回転運動のモデル化とノード流がもつ情報量の解明を行った。 1.ノード繊毛運動のモデル化 ノード繊毛の回転運動のモデル化を、結合振動子系と数値流体力学シミュレーションを組み合わせることにより行った。繊毛間に働く相互作用を流れの抗力の計算することにより求めた。さらにノード繊毛を固有の周波数をもち相互作用する振動子としてモデル化を行った。結果、実験により観察されたノード繊毛の協同性の時間変移を再現することができた。 2.ノード繊毛変異体における回転運動と左右軸決定の解析。 これまでの観察より、マウス初期胚では左向きのノード流が非常に弱く局所的に生成している時期に左右軸が決定されることが示唆された。この初期過程における弱い流れに左右を決定する能力がどの程度あるのかを検証するためノード繊毛運動が著しく低下する変異体マウスの解析を行った。結果、数本のノード繊毛が発生させる局所的な左向き流れでも左右非対称な遺伝子発現が誘導され正しく左右軸が決定されることが分かった。このことからマウスのノード細胞は流れの速度ではなく流れの向きを感知して左右軸情報に変換している可能性が考えられる。 これまでの3ヵ年の成果から、(1)マウス初期胚ノード繊毛は、流体を介した弱い相互作用をもち協同的に運動している。また、この状態は左右軸決定前後で変動する。(2)マウス初期胚は非常に弱く局所的な左向き流れであっても左右軸決定に必要な十分量の情報を受け取ることができることが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)