シロイヌナズナにおけるRNAサイレンシングに関与する新規因子の探索
Project/Area Number |
08J00110
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田上 優子 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | マイクロRNA / RNAサイレンシング / シロイヌナズナ / 分子生物学 / 植物 |
Research Abstract |
私はこれまでモデル植物シロイヌナズナを用いて、miRNA経路に関与する新規遺伝子を発見する目的で、miRNAの生成を促進するHYL1の機能欠損変異体の抑圧変異体を遺伝子学的な手法を用いて探索した。その結果、HYL1に結合してmiRNAの生成を担うDCL1における新規dcl1-13変異がその原因であることを見出した。この変異はDCL1のヘリカーゼドメインにおけるミスセンス変異(DCL1^<E395K>)であった。本年度は、このようなdcl1-13変異の影響について、その原因の分子メカニズムの解明を行った。まず細胞内局在を調べたところ、野生型DCL1は核質及び核内のドット状構造に局在するのに対し、DCL1^<E395K>は核質のみに局在しドット状の局在は見られなかった。さらに野生型DCL1では核小体へは局在しないのに対し、DCL1^<E395K>はその局在が観察された。次に、BiFC法によって細胞内におけるDCL1とHYL1との結合能を調べたところ、DCL1^<E395K>はHYL1との結合能が弱く、特に核内のドット状構造における結合が弱いことが示唆された。以上の結果からdcl1-13変異の影響を説明すると、HYL1存在下でmiRNA生成が減少する理由として、dcl1-13変異によって核内での局在が異常になることによりHYL1との結合が弱まったため、と考えられる。本研究はmiRNAの生成における最重要タンパク質を扱ったものであり、本解析は動物から植物まで広く保存された遺伝子発現調節機構であるmiRNA経路の理解を得る上で、重要な意義を持つものである。今後さらに、HYL1によるDCL1活性化メカニズム、及びDCL1のヘリカーゼドメインの役割についてより詳細な解明が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)