メタボリックシンドロームに伴う組織リモデリングと機能異常の可視化と抗肥満治療
Project/Area Number |
08J00122
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 智 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任助教
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 肥満 / 糖尿病 / 慢性炎症 |
Research Abstract |
近年、心血管イベントのリスク要因として、内臓肥満とインスリン抵抗性を基礎とするメタボリックシンドロームが注目されている。内臓肥満は慢性炎症に伴い脂肪組織の再構築(リモデリング)と機能異常を引き起こすと考えられているが、その詳細は不明であった。我々は、新たに開発したイメージング手法を脂肪組織に適応し、肥満脂肪組織で、脂肪細胞分化・血管新生が空間的に共存して生ずることを示した。さらに、この脂肪細胞分化は血管新生と特殊な形質を持った活性化マクロファージの集積を伴っていた。同部位ではVEGFを含むサイトカイン・活性酸素の産生亢進といった細胞間シグナルと機能異常が認められ、血管内皮・活性化マクロファージ・脂肪細胞の局所での相互作用が内臓肥満の形成と血管新生に重要であると考えられた。 さらに、生体内観察を用いた肥満脂肪組織の検討では、慢性炎症を基盤として微小循環における異常な血管内皮・白血球・血小板の相互作用が観察された。血管内皮細胞・マクロファージ双方の活性化と接着分子の発現の増加を認め、脂肪組織局所において活性化血小板の関与も認められた。さらに、血管内皮機能障害を反映して血管透過性も亢進していた。以上より、肥満脂肪組織局所において血管内皮・マクロファージ・血小板の相互の活性化とそれに伴う形質転換が内臓肥満に伴う慢性炎症を増幅し、マクロファージ浸潤をはじめとする組織リモデリング・組織機能異常に寄与していると考えられた。本研究は、肥満脂肪組織が慢性炎症の場であることをはじめて可視化し生体内で証明したものでもある。 さらに、これら異常な局所免疫のきっかけとして現在CD8陽性T細胞に注目し、肥満脂肪組織におけるリンパ球の役割を現在明らかにしつつある。このように、我々の開発した手法は、従来の手法では分からなかった細胞間相互作用を、生体内で直接可視化するもので、今後の研究展開に必須といえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)