クマリンおよびフラビン誘導体の長寿命電荷分離状態の生成と応用
Project/Area Number |
08J00244
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 元信 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 電荷分離状態 / 高分子フィルム / 電子移動 / 金属イオン / 錯形成 / 超分子複合体 / レーザーフラッシュフォトリシス |
Research Abstract |
本年度は研究課題の目標である電荷分離状態の応用展開を目指し、長寿命電荷分離状態を有するN,N-ジフェニルアニリン-クマリン連結分子(DPA-CM)およびN,N-ジメチルアニリン-フラビン連結分子(DMA-F1)を用いて、光応答性を有する誘電体の開発、超分子複合体の形成および人工光合成型太陽電池への応用について検討した。さらに、得られた結果に基づいて学術論文への投稿、特許の出願および学会発表を行った。 (1)DPA-CMを高分子フィルム中に分散した誘電体を作製し、光照射した結果、三重項電荷分離状態に由来するESRシグナルが観測された。さらに作製した誘電体を用いてキャパシタを作製し、比誘電率を測定した結果、暗条件に比べて明条件では180%という顕著な変化が観測された。この光応答性は、良好な可逆性を有しており、照射光強度や高分子フィルム中に分散するDPA-CMの量によって比誘電率の値を制御できることがわかった。 (2)DMA-F1に水素結合レセプターサイトを2個有するフラーレン誘導体を加えたところ、フラビンの2級アミンに由来する^1H NMRピークのシフトが観測され、超分子が形成されていることがわかった。次に超分子を形成したTHF溶液中に貧溶媒であるヘキサンを加え、超分子クラスターを作製した。KBr錠中に超分子クラスターを分散させ、フェムト秒レーザーを測定したところ、1000nm付近にフラーレンラジカルアニオンに特徴的な吸収帯が観測された。このことからフラビンからフラーレンへと効率よく電子移動反応が進行することがわかった。続いて超分子クラスターを透明電極上に電気泳動法によって吸着させて作製した。作用極にクラスターを吸着した薄膜電極、対極に白金電極を用いた湿式二極系を校正し、外部量子収率を測定したところ、9.2%の値を得た。 以上、長寿命電荷分離状態を有するクマリンおよびフラビン誘導体を用いた応用展開を目指した研究成果をそれぞれ得ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)