Project/Area Number |
08J00344
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
International relations
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 佳代 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 国際連盟 / 機能的国際協調 / クローバル・ガヴァナンス / 国際連合 / 国際衛生行政 / グローバル・ガヴァナンス / 東アジア国際政治史 / ユニセフ / 冷戦 / 日本外交 |
Research Abstract |
報告者は国連の前史としての連盟、とりわけ、国際衛生事業の機能的国際協調面での役割を研究している。昨年度は、戦後初期のユニセフによる対日救援活動の展開を考察し、国際福祉事業が第二次世界大戦を挟んで、軍事及び政治問題の二の次にされる立場から、次第に自発的な活動主体へと立場を変え、国際政治動向と密接に関わりつつも、機能的協調面での役割を着実に高めてきたことを明らかにした。 本年度は、8月にジュネーブのUnited Nations Office at Genevaを訪問し、収集した連盟の史料をもとに、連盟から国連への移行期の変革を検討し、「機能的国際協調の継承と発展-国際連盟保健機関から世界保健機関へ1943-1946年-」と題する論文を執筆し、学会誌に投稿した。更に本年度は、以上二本の論文を軸とする博士論文「機能的国際協調の継承と発展-国際連盟保健機関から世界保健機関、ユニセフへ-」を執筆した。この論文ではまず、1930年代末期に福祉の増進と国際平和の繋がりが認識されるようになり、この波に沿う形で連盟保健機関が、伝染病の撲滅からより広い意味での福祉の増進へと、活動の領域を拡大していった様子を明らかにし、続いて連盟のテクノクラート達が戦前の経験の上に、戦後の国際衛生機関設立構想を模索していったこと、しかしその試みには様々な困難が伴った様子を明らかにした。1945年の国連設立会議で経済及び社会的国際協力が紛争の予防措置として位置付けられ、国連憲章に反映されたことは、国際衛生機関設立の動きにおいても転機となった。その後、テクノクラート達が大国と中小国への働き掛けを巧みに使い分けつつ、WHO設立に向けた最後の調整を行い、当初の構想通りに戦後の体制が築かれた。以上を通じて、機能的国際協調が進展してきた歴史とは、国際社会の平和と安全が、機能的国際協力をも含めた多角的な措置によって保障されるようになった歴史でもあることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)