Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
前年度の成果から,マイクロプラズマを用いたアクティブ素子の作製には,微細電極構造や光学素子のための立体的な微細構造作製プロセスの確立が重要であることがわかった.我々は,これまでに立体構造作製のために,非線形光学効果を半導体プロセスに導入したフェムト秒レーザリソグラフィ支援マイクロマシニングを提案したが,なかでも非線形リソグラフィにおいて,パターン形状がレーザ強度分布に一致しない特異的な現象が生じることが明らかになり,本年度は作製プロセスの高度化を目的としてパターニングプロセスのメカニズムの解明を行った.フェムト秒レーザを用いた非線形リソグラフィでは,高繰返しのレーザパルスを低開口数のレンズで集光した.そのため,非線形光吸収中に熱蓄積が生じ,高密度化により光吸収領域の屈折率が増大する可能性がある.レーザ照射後ベイク処理なしの状態のレジストの屈折率を測定すると,光吸収領域の屈折率は8×10^<-3>の増大が生じていることがわかった.非線形光吸収領域の屈折率増大が生じると,高屈折率領域をコア,周囲をクラッドとする光ファイバのように後続パルスが閉じ込められる可能性がある.屈折率差と集光フェムト秒レーザパルスのビーム径から後続パルスの結合効率を求めると,87%と見積もられた.レーザ照射パルス数が8×10^3のとき,結合パルスのピーク強度は非線形光吸収の強度閾値よりも大きくなり,結合パルスが更に非線形的に吸収される可能性があることを示唆する知見が得られた.この結果は,非線形リソグラフィにおいて,パターン形状が対物レンズによる集光強度分布と一致しない特異的な現象が,光吸収中の屈折率変化と後続パルスの結合により誘起されていることを示唆しており,熱蓄積の影響が低減できる高速描画条件において,回折限界以下の500nm程度のパターン形成を達成した.
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