Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
我々がこれまで培ってきた新たな光ビート分光光散乱法を用いて,特にこれら内部自由度の運動がその複雑な物性に寄与するソフトマターの物性研究を,揺らぎ観察という面から推進した. 我々はこれまで液晶の研究を重点的に進め,その基礎的物性に関する多くの知見と技術の蓄積がある.したがって,観察対象として液晶を選んだ.また,我々がごく最近開発した迅速光ビートBrillouin散乱法を利用すると,ミリ秒以内に測定を終えることできるため,試料の熱吸収の影響を最小限に抑えることが可能であり,このことが本研究では大きな利点となった.配向揺らぎの観察には,白濁のない液晶分子の固体結晶やスメクティック相を生成する必要がある.というのも,白濁により迷光が生じると,光を用いた測定が極めて困難になるためである.そもそも,この白濁は液晶分子の固体結晶が小さな結晶粒の集まりになることや,スメクティック相が単一ドメインで形成させていないことなどが原因で生じる.利用する分光法の空間分解能は10マイクロメートルの程度であるため,これ以上大きな液晶分子の結晶,あるいは,単一ドメインを生成する必要があった.そのために,専用の試料セルを用意し,液晶相の液晶配向ドメインを大きくし白濁を抑え,上述の分光法により配向揺らぎを観察した.単一ドメインのサイズがより大きいものとなるよう,8CBなどの比較的アスペクト比の大きい試料を重点的に測定した.
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