Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Research Abstract |
粒度・波浪条件・リップルの大きさで決まる堆積物粒子の沈降ポテンシャルが,リップルの移動とそれに伴うベッドロード輸送に与える影響を調べた.これまでの現世海浜での観測結果から,リップル移動速度から求められる堆積物輸送量が,既存の掃流砂輸送モデルから推算される輸送量よりも大きい場合と小さい場合があることが明らかになっている.しかし,その原因は明らかになっていない.本研究の造波水槽実験の結果から,これらのリップル移動速度とモデルとの違いが,リップル近傍での堆積物粒子の沈降ポテンシャルにより整理することができることが明らかになった:粗粒砂海浜のような堆積物粒子が沈降しやすい条件の場合,岸側への部分的な沈降がリップル近傍で起こることで,モデルの推算より岸向きへの堆積物輸送量が大きくなる.―方で,細粒砂海浜のような堆積物粒子が沈降しにくい条件の揚合,"phase lag"と呼ばれる流れと堆積物移動のずれの影響によって,モデルの推算より堆積物輸送量が小さくなる.これらの結果は,粒径や周期が主に支配する堆積物沈降ポテンシャルが,振動流下での堆積物輸送において無視できないことを示しており,その影響の仕方を定量的に評価できるパラメータを提案することができた. 造波水槽実験に加え,現世海浜の堆積構造の特徴と,海底に形成されたウェーブリップルの特性を調べるために,新潟県上越市の大潟海岸において調査を行った.この調査では,水深約5mから20mの計12地点で,リップルのサイズの計測と,リップルの頂部・谷部における堆積物サンプルの採取を行った.各リップル表面の堆積物粒度は,頂部と谷部で異なる傾向を示した.頂部に比べて谷部は淘汰が悪く,堆積物の平均粒径が05φより粗い場合には,頂部より谷部が粗い傾向を示すが,0.5ψより細かい場合は逆に頂部のほうが粗いという特徴がみられた.
|