蛋白質のフォールディング中間体構造を用いた、フォールディング能に関する研究
Project/Area Number |
08J00653
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 俊一 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 超好熱古細菌 / サチライシン / 蛋白質フォールディング / プロペプチド / カルシウムイオン |
Research Abstract |
本研究では、超好熱古細菌Thermococcus kodaraensis由来サチライシン(Tk-subtilisin)のフォールディング中間体構造の解析と、Foldability欠落因子の探索を行うことで"蛋白質のFoldabilityをもたらす重要な因子"の解明を目的とした。本年度ではその中間体構造の決定には至らなかったが、種々の部位特異的変異体を用いた生化学的解析および結晶構造解析により、"重要な因子の同定に成功した"。具体的には、プロペプチドと成熟体が相互作用する界面に注日し、その結合を欠損させるような変異体蛋白質を数種類構築した。これらの蛋白質を用いた解析から、相互作用界面に存在する成熟体側の酸性アミノ酸残基(グルタミン酸)をアラニンに置換した変異体蛋白質は、プロペプチドの補助によるフォールディング能を完全に失うことが明らかになった。一方で、他の変異体蛋白質に関しては、ある程度のフォールディング能の低下は見られるものの、完全に失うことは無かった。これらの解析結果から、相互作用界面に存在するグルタミン酸とプロペプチドとの結合がTk-subtihsinのFoldabilityをもたらす重要な因子であることを明らかにした。また、このグルタミン酸およびその側鎖が水素結合を形成するプロペプチド側の疎水性アミノ酸残基は、対象酵素のホモログ(サチライシンファミリー)に非常に良く保存されていることも明らかにした。このことから、本研究において明らかにした因子がサチライシン全般に普遍的に存在することを提唱した。以上の研究成果から、蛋白質のフォールディング能を決定付ける普遍的な因子について、新たな知見を得ることに成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)