Project/Area Number |
08J00674
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Parasitology (including Sanitary zoology)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大久保 和洋 Mie University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | マラリア / スポロゾイト / 肝臓 / ワクチン / マラリア原虫 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、マラリア原虫のスポロゾイトが宿主肝臓に感染する際に必要なタンパクをいくつか同定した。本年度はこれらのうち、特にSLIPと名付けたタンパクの詳細な研究を行った。SLIPタンパクの遺伝子をノックアウトしたマラリア原虫は、赤血球ステージや、媒介昆虫であるハマダラカの体内では野生型と同じように成長する。しかしスポロゾイトが宿主の肝臓まで到達し、いくつかの肝細胞を通過することはできるが、感染することはできない。SLIPタンパクに対する抗体は得られなかったものの、新しい技術であるマラリア人工染色体を用いることにより、本タンパクの局在も予想することが可能になった。さらにslip遺伝子はその5'上流に当研究室が発見したマラリア原虫の転写因子の1つであるAP2-Spの結合領域があり、この結合領域に変異を導入すると、スポロゾイトでの発現が4割程度に減少することが分かった。またSLIPノックアウトマラリア原虫のスポロゾイトは、それを感染させた宿主に、野生型のマラリア原虫スポロゾイトに対する強い免疫効果を与えることが明らかとなった。以上の研究成果は、未だ解明が進んでいないマラリア原虫のスポロゾイトによる肝臓感染という現象に新たな知見を提供することができるとともに、ノックアウト原虫の高い免疫抗原性は候補タンパクが少ないスポロゾイトワクチンの開発にあたり、大きなインパクトを与え、マラリアワクチンの進展に寄与することになると考えられる。
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