燃料電池運転状態のリアルタイムインピーダンス診断と制御の研究
Project/Area Number |
08J00738
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
星子 琢也 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / PEFC / インピーダンス / 可視化 / フラッディング / プラッギング / 拡散 / 診断 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)のカソード流路をアクリルガラス窓によって可視化した実験用セルを用いて,前年度の研究成果であるインピーダンス計測によるカソード触媒層上の水膜厚さの推定が,実際にフラッディング(触媒層表面の水による閉塞)やプラッギング(ガス流路上の水による閉塞)の兆候を早期に検知しうるものか検討を行った. その結果,プラッギング進行に伴いインピーダンスプロットの円弧が相似形状を保って元の数倍まで拡大することがわかった.このインピーダンスの明瞭な変化を監視することでプラッギングを早期に検知し,電圧低下が深刻化する前に流量増大などの回避措置を取ることが可能になる.一方,フラッディングについてはこれまでの想定より低い周波数域のインピーダンスとの相関が明らかとなった.このことから,前年度の解析において拡散インピーダンスとして分離した部分は,実際には電極表面の多孔性に起因するインピーダンスである可能性が高く,該当過程の時定数を水膜厚さの計算に用いるのは不適であると判明した.また,低湿度下においては拡散過程と同等か更に遅い応答を示す擬似インダクタンス成分が生じることも多数の実験結果から明らかになり,ミリヘルツオーダまでの計測が精度向上のために必要であることがわかった. 以上の知見から更に,水膜厚さがどの程度まで増大すれば電圧低下の危険が高まるかという閾値問題も簡潔に整理された.前年の解析においては,実際には電圧低下が観測されない低電流においても水膜厚さが10ミクロンオーダで推算されていたために閾値の見極めが課題となったが,電極の多孔性に起因するインピーダンスを考慮に加えると低電流では水膜厚さもゼロとなり,酸素拡散過程が観測された時点でフラッディングのリスクが高まっていると判断するのが適切だと言える.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)