人工粒子および再構成系を用いた長鎖DNA折りたたみの制御
Project/Area Number |
08J00806
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials/Nanobioscience
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 須美子 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 生物物理 / ソフトマター / クロマチン / DNA |
Research Abstract |
ヌクレオソームから30-nmファイバー形成の背景にある物理化学を理解するために、本年は以下の3つの研究を行った。1)ヌクレオソーム形成における環状構造の影響、2)ヒストンテイルの除去によるクロマチンコンパクト構造の変化(ファイバーからランダム構造へ)、3)ヒストンテイルアセチル化によるクロマチンファイバーの幅の変化。1)においては全長の等しい環状および線状のDNAを用いてポリヌクレオソームの再構成を行った。その結果、環状のDNAを用いた場合の方が1.4倍効率的にヌクレオソームを再構成できることが明らかになった。ポリヌクレオソームの自由エネルギーを用いて考察し、形成効率に関する傾向した。実験で見られた大きな差を生む主な寄与はヌクレオソーム間相互作用にあり、環状の方が線状よりも広がりが抑えられることにより、エネルギー利得のあるヌクレオソームの数が上昇することに起因することを議論した。2)においてはヒストンテイルを除去したポリヌクレオソームにH1を加えた場合では通常のファイバー構造とは異なり、ランダムな幅を持った構造となることが明らかになった。3)においてはファイバーの構造変化をアセチル化したヒストンでヌクレオソーム、さらにファイバーを再構成することで検討した。その結果、アセチル化をされたヒストンで再構成されたファイバーではファイバーの幅が20nmとアセチル化をさわていないときの幅(30nm)よりも細くなることが明らかになった。この傾向を自由エネルギーによる考察から、アセチル化にともない残留電化の増加による不安定化が起こり、ファイバーの幅が細くなったというモデルを提案した。以上の結果から生体内での翻訳後修飾など生物的な過程の一部を物理化学的観点から理解できることを示し、構造制御の可能性を示唆する結果を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)