Project/Area Number |
08J00807
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 和司 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 超流動^3He / 渦 / 異方的超伝導 / パウリ常磁性 / エアロジェル / 異方性 |
Research Abstract |
本年度は、p波をはじめとする異方的(非s波)超流動・超伝導状態における物性の理解を目指し研究を行った。 ^3Heの超流動状態はp波スピン三重項対凝縮状態であることが知られている。近年、エアロジェルと呼ばれるスポンジ状の多孔質媒質をバルクの液体に入れた実験が行われ、エアロジェル中における液体^3Heの超流動状態が調べられている。我々は、外部から一軸的な圧縮、伸張を加えることで実現される一様な異方的をもったエアロジェル中の超流動相における物性、特に渦構造に注目し理論的考察を行った。バルクのB相における渦芯状態は圧力低下と共にA相からplanar対状態に一次転移することが知られているが、一軸圧縮したエアロジェル中ではA相芯をもつ渦の存在する圧力領域が低圧側まで伸び、逆に一軸伸張の場合はA相芯の渦はほとんど存在できないことが分かった。この顕著な違いは実験で確認できると考えられ、国際学会において実験研究者に提案を行った。超流動^3Heは、高温超伝導体や重い電子系超伝導体といった異方的超伝導のプロトタイプとして古くから研究されてきたが、超伝導の研究が超流動^3Heの物性解明の助けにもなるものと期待される。^3Heの研究で得た物理的考察力や理論手法を生かしながら、異方的超伝導の理論研究を行った。強いパウリ常磁性効果をもつd波超伝導体CeCoIn^5に注目し、この物質特有の磁場誘起の反強磁性揺らぎを考慮した点が本研究の特徴である。GL自由エネルギー導出に基づいた理論解析により、パウリ常磁性が強い状況下では、超伝導渦糸格子状態の磁束分布において、反強磁性揺らぎは磁束の遮蔽効果を強めることを明らかにした。この強い磁束の遮蔽効果は、超伝導の対称性がd波であることに起因しており、実験結果とも定性的に合致した理論結果となっている。
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