花粉粒の直接遺伝解析法を用いた虫媒植物の送受粉過程解析
Project/Area Number |
08J00913
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松木 悠 Kyoto University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 花粉粒の直接遺伝解析 / 花粉流動 / 送受粉 / 虫媒植物 / 分子生態学 / マイクロサテライト |
Research Abstract |
本研究は、昆虫によって花粉が運搬される樹木種を対象に、送受粉メカニズムの解明や送粉者の機能評価を行うことを目的としている。本年度は、特にこれまで蓄積してきたデータを基に、花粉移動パターンや繁殖成功の年変動を明らかにすることに主眼を置いた。 研究対象とした虫媒性樹木であるホオノキ・トチノキ双方ともに、各年の開花量の多少にかかわらず、昆虫によって花に運搬される花粉の8-90%以上が自家花粉(昆虫を採集した個体由来の花粉)であった。ホオノキ・トチノキともに成長初期に強い近交弱勢を受け、自殖由来の子孫が死亡することが確認されているため、花にもたらされる花粉粒の大部分は有効な繁殖に寄与していないことが示唆される。昆虫のタイプ別に運搬する花粉粒の遺伝的組成を比較すると、ホオノキにおいては甲虫類の一種が、トチノキにおいてはハナバチ類が比較的多様な他家花粉(他の繁殖個体由来の花粉)を運搬していた。こうした昆虫が、ホオノキ及びトチノキの有効な送受粉・繁殖に寄与していることが明らかになった。 送粉者が花に運搬する花粉粒を直接遺伝解析し、その遺伝的組成や多様性を評価するという本研究のアプローチによって、従来の間接的な推定などでは知り得なかった詳細な花粉流動パターンを明らかにすることができた。本研究では、送粉生態系や植物・動物間相互作用、植物の繁殖・更新動態を理解する上で重要な知見を得ることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)