脳神経スパイク時系列データ解析に向けた統計解析手法の構築
Project/Area Number |
08J00958
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Statistical science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下川 丈明 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | スパイク時系列 / ベイズ推定 / 発火率 / 不規則性 / ガンマ分布 |
Research Abstract |
脳の構成単位である神経細胞の情報伝達はスパイク(神経発火)によって行われている.しかし,どのような形式でスパイク時系列に情報が符号化されているのかについては,いまだ明らかにされていない.そこで我々はスパイク時系列を特徴づける統計量について理論的な考察を行った. スパイク時系列の特徴としてまず挙げられるのが発火率(発火頻度)であり,それにある程度の情報が符号化されていることは広く認識されている.しかし,スパイク時系列は発火率だけで表されるわけではなく,それ以外の性質によっても特徴づけることができるだろう.発火率以外の特徴量としては以前からスパイク問間隔のバラつきの程度を表す「不規則性」が注目されていた.ここで発火率はスパイク間間隔分布の平均値(の逆数)として明確に定義されるのに対し,不規則性はスパイク間間隔分布のばらつきを表す量として経験的に考えられてきた量であり,どのような意味や利点をもつのかについては分かっていなかった.そこで,これらの統計量の関係を情報理論的な観点から捉え直すこととした.我々はスパイク間間隔分布を特徴付ける統計量の内,平均値(発火率)に情報幾何的に直交する統計量を求めた.情報幾何的に直交していれば推定の際に独立した情報を得ることができ,統計量の組の選び方として効率的であるといえる.そのような望ましい統計量を求めた結果,条件を満たすものは対数平均値のみであることを明らかにした.対数平均値は意味として不規則性と対応しており,そのため今回の結果は不規則性を対数平均値として再定義することを提案するものである.この研究成果は学術論文誌Journal of Computational Neuroscienceに掲載された.
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)