ホロノミック数論的D加群の様々なコホモロジー作用素による保存の研究
Project/Area Number |
08J01070
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 知行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 数論的D加群 / p進コホモロジー / イプシロン因子 / 特性多様体 / ホロノミー加群 / コホモロジー作用素 |
Research Abstract |
今年度の主な結果は数論的D加群における相対的なボアンカレ双対の確立と,p進イプシロン因子の積公式の証明である,ボアンカレ双対は数論的D加群が"よい"コホモロジー理論であることを示しており,コホモロジー作用の研究にとって基本的かつ重要な結果である.これまでも部分的な結果はあったが,今回の結果ではフロベニウス作用を考慮に入れている点が最も重要である.この結果には様々な応用があり,例えば,構造層から定義されるF-アイソクリスタルの双対を計算することが出来る.これは以前から懸案となっていた計算であり,これを用いることにより,D加群を用いて定義されたL関数の関数等式を示したり,D加群の理論とリジッドコホモロジーの理論によって定義された二つのL関数を精密に比較することが出来る.この結果は次のp進イプシロン因子の積公式の証明には欠かすことが出来ない,1進の場合,イプシロン因子の積公式は関数体のラングランズの証明の鍵の一つになっており,数論的に重要な意味を持っている.積公式とは(F-アイソクリスタルの)L関数の関数等式に現れる定数を,アイソクリスタルの各分岐点から定義される(局所)イプシロン因子の積によって表す公式であり,A.Mamoraによって予想されていた,証明の方針は1進の場合のLaumonのものと同様であるが,証明の最も重要な道具である消滅輪体の理論がD加群では知られていないところに困難がある消滅輪体を用いることが出来ないため今回は超局所解析的な手法を用いる,超局所解析の基本的な手法は前年度私が整備した物で,今年度は曲線の場合にその結果を精密化することで消滅輪体を用いず局所フーリエ変換とその性質を示すに至った.これらが確立されればすぐに積公式が従うわけではないが,臨機応変に知られている結果を用いることにより積公式は示される.この定理の証明を機にp進コホモロジーの関数体のラングランズ予想の研究が進展するもの期待される.
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)