好熱及び好冷菌酵素を題材とした蛋白質の揺らぎと機能に関する理論的研究
Project/Area Number |
08J01123
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小杉 貴洋 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 酵素 / 揺らぎ / 化学反応 / 温度依存性 / 分子動力学法 / α-Amylase / 自由エネルギー / QM / MM法 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き酵素活性の示適温度が異なる二種類のアミラーゼタンパク質(AHA:低温活性、PPA:常温活性)をモデルとし、酵素活性おけるタンパク質の揺らぎの効果を分子論的に明らかにすることを目指し研究を行った。本年度は、特にタンパク質の熱揺らぎを考慮した新規のQM/MM自由エネルギー法の改良を行った。QM/MM自由エネルギー法でこれまで一般的であったクラスター系での計算ではなく、長距離の静電相互作用をより正確に計算するEwald法を導入した。また、これまでわずかなサンプルから計算されてきた平均ポテンシャルに必要なサンプル数に対する評価も行った。これらにより、QM/MM計算とサンプリングのためのMD計算が完全に分離され、精度の良い計算が可能となった。さらに、hessian計算の導入も行い、この計算法での遷移状態の探索を可能にした。これにより、構造最適化だけでなく新しいQM/MM計算での化学反応の計算が可能となった。また、酵素反応機構の解析についても二つの酵素反応の違いについて新たな知見を得ることに成功した。AHAもPPAもともにα-1,4グルコシド結合の解離と水の付加の二段階の加水分解反応により起こると考えられている。一段階目の反応が終わり二段階目の反応が起こるには水が解離した結合の間に入る必要があるが、これをWeighted Histogram Analysis Method(WHAM)により求めた。そして、この段階が化学反応に特に重要な役割を果たしていることを突き止めた。さらに、昨年度のエントロピー計算の信頼性を高めるためにより長時間のシミュレーションを行い、その評価を行い結果のまとめを行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)