種子制限が草本群集構造に与える影響のマルチスケール播種実験による検証
Project/Area Number |
08J01348
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
饗庭 正寛 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 群集生態 / 林床草本 / 種子制限 / ニッチ / 生物多様性 / 林床総本 / 群集生態学 |
Research Abstract |
林床草本群集の形成における種子制限の効果を検証するために行っている播種実験において、発芽した実生の追跡調査を引き続き行った。また、草本群集組成に対する環境と空間の影響を分離する解析の信頼性を高めるため、調査区のサイズを拡大して再調査を行った。環境の影響のモデリングにおいては、非線形な応答を考慮するなど統計モデルの改善も行った。その結果得られた環境と空間の影響度合いをそれぞれの種の形質と比較して、その種間差が予測可能かどうか検証した。また、自然林、二次林、トドマツ植林、カラマツ植林という4つの異なるタイプの森林の草本群集における環境要因と種間競争の重要性を検証する解析を行った。これらの結果、以下のような成果を得た。 環境と空間の影響に顕著な種間差が見られることを世界で初めて発見した。また、この種間差が種子の散布様式などの機能的形質や系統情報からは予測できないことを初めて示した。空間の影響を考慮した群集モデルの多くが、その影響に種間差がないことを前提としているが、本研究の結果はその前提を覆しうるものである。また、対象群集において、環境要因と種間競争がどちらも重要であること、それらの重要性は、森林タイプ間で異なることを示した。これらの結果は、散布制限、環境フィルタリング、種間競争という群集集合の3つのサブプロセスに関する理解に貢献し、植物群集の形成メカニズムの解明につながるだけでなく、希少植物も多い亜寒帯林の林床草本群集を保全する上でも重要である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)