Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
脳血流測定アルゴリズムであるmaximum slope法およびdeconvolutionが膵臓に応用可能であるかどうかを判定するため,ビーグル犬を用いて非観血的に膵臓のPerfusion CT解析を行った。いずれの方法も,血液脳関門のない臓器においては血流評価の定量性が疑問視されているものの,結果として,イヌの膵血流基準値を定量的に反映することが示唆された。また,両法間で,膵血流値は同等であったもものの,膵血液量および平均通過時間の値については,解析に使用する血管によって差異が認められ,膵血流値,膵血液量,平均通過時間のすべてのパラメータで両法が相関したのは,inputが脾動脈,outputが脾静脈の場合のみであった。このことから,膵臓における血管外への造影剤の漏出は解析結果に影響をおよぼすものの,膵臓に近位の血管をinput/output関数として利用することで,その影響は最低限となることが判明した。つまり,膵臓においては,脾動脈および脾静脈をinput/output関数として使用すれば,どちらの方法も膵血流解析アルゴリズムとして利用可能であることが明らかとなった。現在,非侵襲的で定量的な膵血流測定方法は確立していない。本研究によってPerfusion CT解析が膵臓に応用可能であることが示されたことから,今後,膵疾患のCT検査時にPerfusion CTを組み込むことで,急性膵炎においては浮腫性膵炎と壊死性膵炎の鑑別および壊死性急性膵炎への進行の予見を,膵臓癌においては抗癌剤のレスポンス予測等に利用できる可能性が示された.
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