系の全自由エネルギーに基づいた高分子からみあい系のモデリング
Project/Area Number |
08J01595
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
土木材料・力学一般
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀尾 和史 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 高分子ダイナミクス / レオロジー / 流動誘電 / 流動場解析 / 誘電緩和 / からみあい / スリップリンクモデル |
Research Abstract |
本年度は昨年度までに構築したモデルの改良と昨年度に報告した実験の追加の検証を行った.モデル構築では,高分子のダイナミクスを記述する上で重要なからみあいの生成消滅ダイナミクスを詳細に検討した.本モデルと同様の三次元高分子ネットワークの描像に基づく先行モデル(Y.Masubuchi et al., J.Chem.Phys., 2001)では,分子鎖間のからみあいは分子鎖の末端のみから生成または消滅する.しかしその詳細は十分に検討されているとは言えない.本研究ではからみあいの生成確率と消滅確率の間に詳細釣り合いを満たすモデルを構築した.しかしながら,本モデルに基づくシミュレーションではネットワークが凝集する現象が見られ,モデルの再検討が必要となった.この結果は,J.Polym.Sci.Part B誌に投稿中(2011年4月現在)である.実験面では,昨年度に引き続き,誘電緩和測定と流動場解析の二つの手法を組み合わせて,流動下の高分子ダイナミクスを調べた,昨年度に報告した直鎖ポリイソプレン(PI)に加え,本年度は星形PIを試料として用いた.渡辺らは定常せん断流動下における誘電応答が直鎖PIでは加速されず,星形PIでは緩やかに加速されることを報告している(Macromolecules, 2002).高分子液体系では高速流動下での不均一流動が近年報告されているため,流動誘電測定と同条件で流動場を観察することは重要である。本実験では先行研究と同様に星形PIでは流動誘電応答の緩やかな加速が検出され,また,均一なせん断流動下で測定されていることを確認した.現在の理論では直鎖と星形鎖の異なる流動誘電挙動は説明できない.しかしせん断方向とせん断勾配方向のダイナミクスの異方性が流動誘電結果から示唆され,せん断流動下での高分子ダイナミクスをモデル化する上で重要な実験的知見が得られた.
|
Report
(3 results)
Research Products
(25 results)