Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究では,近年発達しつつあるセンサーネットワークや無線アドホックネットワークといった,動的な大規模分散システムにおける耐故障分散ソフトウェアの設計の容易化を目標としている.具体的には,自己安定,故障封じ込めといった,すぐれた自己適応能力を備えたソフトウェアを設計するための既存のソフトウェア設計パラダイムに着目し,これらの設計パラダイムの適用範囲を拡張することを目指す. 本年度の研究計画では.1.故障封じ込めプロトコル,また,他の一般的な耐故障分散プロトコルの適用範囲を拡張する手法を提案する.2.大規模ネットワークを想定したシミュレーション実験により,得られた手法の効果を確認する,の2点を掲げていた.この計画に従い,新たな拡張手法の提案とその評価環境の準備を行った.以下に1,2について具体的な進捗状況を示す. 1.これまでに得ている故障封じ込めプロトコルの拡張手法は,適用可能なプロトコルが限定されていた.そこで,既存の拡張手法を適用できない故障封じ込めプロトコルを対象とした,新たな拡張手法を提案した.また,自己安定プロトコルに動的変化(個々の計算機の移動,ネットワークからの離脱や参加)に対する高度な適応性を付加する手法を提案した. 2.大規模ネットワークを想定したシミュレーション実験の準備として,センサーネットワークにおいてクラスタリングを行う耐故障分散ソフトウェアのシミュレーション評価を行った.今回準備した実験環境をもとに,今後.1.の提案手法の評価を行う準備を進める. 以上の成果はいずれも国際会議で発表を行い,一部は論文誌に投稿中である. 次年度には提案手法を体系化し,センサーネットワークやアドホックネットワークといった動的ネットワークに対する提案手法の適用を検討することを計画している.今年度の成果をもとに,次年度の計画を遂行する準備は万全である.
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