温度環境が高層湿原植物群集の資源獲得競争に及ぼす影響
Project/Area Number |
08J01642
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神山 千穂 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 地球温暖化 / 種間相互作用 / 湿原植物群集 / 光獲得競争 / 種組成 / 葉寿命 / 機能型 |
Research Abstract |
近年の地球温暖化に伴い、植物群集内の気候変動が種間相互作用に影響し、さらに種組成を変化させることが懸念されている。群集の環境応答の予測には、そのプロセスとなる種間相互作用の解明が必要である。これまでに、標記特別研究員は、標高の異なる4湿原を対象として、「光吸収量は一年を通じ変化する」ことに着目し、種固有の季節性の違いが種間光獲得競争に与える影響を、機能型の異なる常緑性/落葉性の違いに焦点を当て調べた。その結果、高標高では高い生涯の光獲得効率(地上部バイオマスあたりの生涯の光獲得量)をもつ常緑種が光獲得競争を有利に進め、そのことが、種組成に影響を与えていることが示唆された。本年度は、異なる標高に成立するより多くの湿原(27湿原)を対象として、標高と種特性および種組成の関係における一般性の向上と、種の分布および共存メカニズムの解明に取り組んだ。出現種数は、最も少ない湿原で13種、最も多い湿原で43種であった。常緑種の出現種数は高標高になるにつれて増加し、これまでの結果と一致していた。高標高に成立する湿原ほど、最大葉高と個葉サイズの群集平均値が低下し、また、LMAの群集平均値は標高によって変化しなかった。最大葉高と個葉サイズの群集平均値にみられた標高間の傾向には、種組成が起きているにも関わらず、種変化よりもむしろ、異なる標高域に広く出現する被度の高い優占種の種内変異が寄与していた。このことは、温暖化に伴って、優占種の組成に大きな変化はなくそれらの種内変異が群集特性に影響し、一方で、群集特性には影響しないものの、特定の標高にしか出現しない常緑種のような被度の小さい種の組成が変化することを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)