複雑化学反応系の規則性・非統計性と強レーザー場による新しい反応制御
Project/Area Number |
08J01764
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河合 信之輔 北海道大学, 電子科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 反応動力学 / 外場 / 化学反応の制御 / 熱ゆらぎ / 非線形相互作用 / 振動回転相互作用 / 時間依存標準形 / 一般化ランジュバン方程式 / 強レーザー場 / 反応制御 / 非線形 / 自由度の削減 / 相空間 / ランジュバン方程式 / 凝縮相 / 非線形性 / 偶然と必然 |
Research Abstract |
生体系を含む多くの現実的な系においては、非常に大きな数の原子・分子が現象に関与しており、物理的洞察を得る上で大きな妨げとなる。前年度までの研究においては、熱浴にさらされた系やレーザー場と相互作用する系などを対象とし、ある条件下では、そのような多自由度の系から化学反応を本質的に記述するただ1つの座標と、反応の成否を決定する力学構造を取り出すことが可能であることを示した。本年度は、その成果をより現実的な系の理解へと適用していく上で不可避と考えられる3つの課題について考察を進めた。第一に、これまでの理論では考えられていなかった分子回転の効果を取り入れ、反応の可否を厳密に予言することを可能とする反応座標が反応モード・振動モード・回転モードが相互作用しあう状況下でも抽出し得ることを示した。この手法を用いて回転モードの影響によって反応分割面が変化する様子が明らかになった。第二に、前年度までの研究の出発点となっていた一般化ランジュバン方程式について、熱浴自由度が平衡でなく時間変化する場合への拡張を定式化した。これは光化学反応のように非定常な熱浴を作り出して反応を制御するような系にこれまでの本研究の理論を適用することを可能にするものである。第三に、具体的な系についてその系が従う一般化ランジュバン方程式を求めるために、実験またはシミュレーションで得られた時系列から一般化ランジュバン方程式に現れる平均力ポテンシャルや摩擦核を求める方法を構築した。前年度までの成果と合わせて、様々な具体的な系で化学反応の成否を決定付ける原理の理解や反応制御への応用につながるものと期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(43 results)