新規光学活性NHC配位子の創製とそれを用いた不斉カップリング反応の開発
Project/Area Number |
08J01767
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日向 優 北海道大学, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 含窒素ヘテロ環カルベン / ニッケル / 1,3-ジエン / アルデヒド / ケトン / シラン / 不斉環化反応 / (-)-Chokol A / 速度論的光学分割 / 光学活性 |
Research Abstract |
含窒素ヘテロ環カルベン(NHC)を配位子とした、ニッケル触媒による1,3-ジエンとアルデヒド、及びシランの三成分カップリング反応は、目的の生成物を高立体選択的に与える興味深い反応である。本カップリング反応は、新規に合成した光学活性NHC配位子を用いると最高97%という高い不斉収率で目的物が得られたことから、本不斉反応を分子内反応に適用し、環式化合物がエナンチオ選択的に得られるか検討した。前年までの検討結果から、本不斉環化反応は、分子間反応で効果的であった構造を改良した新規光学活性NHC配位子を用いる事により、目的とする環化体が高いエナンチオ選択性で得られていた。また、アルデヒドだけでなくケトンを用いた場合にも問題なく進行し、四置換不斉炭素中心を持つシクロペンタノール誘導体が最高98%eeで得られる事もわかった。当該年度は、本不斉環化反応の応用研究として、5員環セスキテルペノイドである(-)-Chokol Aの全合成研究を行った。(-)-Chokol Aはこれまでに光学活性体としての全合成が四例あるが、その全てはキラルプール法や化学量論量の不斉補助基を用いた方法を利用しており、触媒的不斉合成の例は皆無であった。したがって、昨年までに開発した本触媒的不斉環化反応を利用すれば、これまでに例のない効率的な合成法となりうると考えられた。(-)-Chokol Aは一つの四置換炭素中心を含む三つの連続する不斉炭素を有している。不斉環化反応で得られる環化体は二つの不斉中心を制御できるが、残り一つをいかに構築するかが問題となった。そこで、基質の特性を生かし、ジアステレオ選択的なレトロアルドール反応を利用することを計画し、様々な反応条件を検討した結果、三つ目の不斉炭素を構築することができた。さらに数工程の変換を経て(-)-Chokol Aの初の触媒的不斉全合成を達成した。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)