多置換型芳香族化合物を用いた新規分子触媒の合成と反応開発
Project/Area Number |
08J01828
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 智弘 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | イリジウム / 酸塩化物 / 末端アルキン / 付加反応 / フラン / 含窒素複素環カルベン / リン配位子 / 均一系遷移金属触媒 / アルデヒド / 脱カルボニル化 |
Research Abstract |
均一系遷移金属触媒において配位子は触媒の立体的かつ電子的性質を制御する重要な要素である。用いる中心金属によりその反応性が大きく異なるため、適切な金属と配位子の組み合わせにより高活性な触媒が生み出される。私は多置換型芳香族化合物を用いた新規配位子の合成と触媒反応への応用を目的とし、より高活性な触媒系の構築を目指して本研究に着手した。その結果、イリジウム触媒を用いた酸塩化物の末端アルキンへの付加反応が効率良く進行することを見出した。本反応はカルボニル基のみならず有機合成価値の高いクロロ基を同時に導入可能であるため、原子効率に優れた有用な反応である。さらにこの反応を2,5-二置換フラン誘導体の合成に応用することにも成功した。本年度は、さらなる高活性触媒の開発と新規分子変換反応の探索に主眼と置き、塩化カルバモイルの反応基質としての利用に着眼した。カルバモイルクロリドは有機合成反応においてアミド基の導入に広く用いられる基質であるが、遷移金属触媒反応では主にカップリング反応剤として利用されてきた。今回、イリジウム触媒を用いる塩化カルバモイルと内部アルキンとの反応において、環化が進行した2-キノロン類が得られることを見出した。また、本反応において五員環イリダサイクルが重要な鍵中間体であることを,化学量論量のイリジウム錯体と塩化カルバモイルとの反応を行い,中間体と考えられる錯体を単離しることにより明らかとした。今回の反応で得られるカルボニル基を有する含窒素複素環化合物は様々な生理活性物質の基本骨格であり、効率的な合成法の開発が提案できた点で重要であると言える。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)