ブラックホール降着流における状態遷移の理論シミュレーション研究
Project/Area Number |
08J01842
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小田 寛 Chiba University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 理論天文学 / 数値天体物理学 / 輻射磁気流体力学 / 降着円盤 / ブラックホール / X線γ線天文学 / 宇宙・天体プラズマ / 輻射過 / 輻射過程 |
Research Abstract |
これまでの我々の研究で、磁気流体シミュレーション結果に基づいてブラックホール降着円盤の一次元定常モデルに磁場を組み込み、その結果、熱的に安定な磁気圧優勢円盤の解が存在する事が解った(Oda et al.2007,2009)。ここでは簡単のため、降着円盤ガスを構成するイオンと電子の温度が等しいとする一温度モデルを採用し、放射冷却機構として制動放射のみを考慮していた。本年度はこれを二温度モデルに拡張し、放射冷却機構としてシンクロトロン放射、逆コンプトン散乱も考慮し、熱平衡解を求めた。その結果、磁気圧優勢円盤はブラックホール候補天体のBright/Hard状態で観測される光度、X線スペクトルを説明できる事が解った。これらの結果について、2009年10月14日に行われたCfA Postdoc Symposiumにて口頭発表を行い、また、アメリカの学術誌Astrophysical Journalへ投稿し、受理された(Oda et al.2010)。現在、二温度降着円盤の大局的一次元定常解(遷音速解)に関する研究の結果を日本天文学会欧文研究報告誌PASJへ投稿すべく論文を執筆中である。 またブラックホール降着円盤の大局的三次元シミュレーションを行うべく、輻射磁気流体コードの実装、テスト計算を行った。現在は輻射輸送に関して流束制限拡散(FLD)近似を用いているが、この近似は計算コストが余りかからず既存のコードへの実装が容易というメリットがある反面、光学的厚みが1程度の領域で精度が余りよくないというデメリットがある。多少計算コストは増えるものの、より精度よく輻射輸送を扱えるモーメント法の実装も進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)