肥満に関わる大腸発がん促進因子の探索と食品因子による制御
Project/Area Number |
08J01923
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 真吾 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 大腸がん / レプチン / 内臓脂肪 / インスリン / IGF / Akt / MEK / ERK / ノビレチン / アディポサイトカイン / Rapamycin / mTOR / 脂肪細胞 / eIF4B |
Research Abstract |
前年度の研究では、発がんイニシエーターであるAOMと発がんプロモーターであるDSSを投与していた。そのため、血中レプチン濃度の上昇がAOMもしくはDSSのどちらか単独の作用であるのか、あるいは組み合わせ効果なのかは不明であった。そこでまず、大腸化学発がんモデルにおける血中レプチン濃度上昇メカニズムについて検討を行った。先に用いたモデルと同様に、無処理群およびAOM/DSS処理群を設定し、さらにAOM単独およびDSS単独処理群を新たに加え実験を行った。以前と同様にAOMおよびDSS処理群では血中レプチン濃度の有意な上昇が認められた。一方、AOMもしくはDSS単独処理群においても上昇傾向は認められたものの有意な差はなかったことから、血中レプチン濃度の上昇には、AOMによる発がんイニシエーションおよびDSSによるプロモーションが必要であることが示唆された。レプチンは、主に白色脂肪組織で産生されることが知られている。そこで、内臓脂肪に注目したところ、血中レプチン濃度の有意な上昇が認められたAOMおよびDSS処理群において、精巣上体周囲脂肪量の増加が観察され、さらに同組織におけるレプチンmRNAおよびタンパクの発現も上昇していた。脂肪細胞によるレプチン産生は、インスリンシグナル経路により制御されている。そこで、同組織におけるインスリンシグナル経路の活性化状態をWestem blot法で検討した。その結果、インスリンレセプターの下流に存在するAktおよびS6、ERK、MEKが活性化していることが明らかとなった。以上のことから、動物大腸化学発がんモデルにおける血中レプチン濃度の上昇は、内臓脂肪重量の増加および同組織におけるインスリンシグナル経路の活性化に起因していると推察された。これらの結果は、今後大腸発がんと肥満の関係を考える上で基盤的知見となり得ると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)