Research Abstract |
マイクロ非球面レンズは内視鏡を用いた低侵襲治療や光ファイバを用いての光通信技術の重要な構成要素の1つである.マイクロ非球面レンズは100nmより高い形状精度が求められており,その形状精度を達成するためには±10nmの形状計測精度が必要となる.本研究課題の目標達成のために本年度は主に以下の2点について研究を行った. 1.マイクロスタイラスの開発:一般に接触式変位計のスタイラス先端には球が取り付けられており,球を測定対象に押し付け変位を測定することで形状を得ている.現在市販されているスタイラスで先端球の直径が最も小さいものは直径が300μmほどで,直径が1mm程度のマイクロ非球面形状を計測するためには先端球直径が大きすぎる.本研究では,真球度が高い直径100μmのマイクロガラス球とガラスチューブを用いたマイクロスタイラスを開発した.マイクロスタイラスは100mN以上の接着強度をもち,非常に安価であるといった特長をもっている. 2.タッピング型マイクロスタイラスの開発:先端の細いマイクロスタイラスは測定対象表面との摩擦力による影響を受けやすい.摩擦力の影響を低減するためスタイラス先端を高周波で感度方向に振動させることで接触時間を短縮しスタイラスの曲がりやスティックスリップの影響を低減するタッピング型マイクロスタイラスを開発した.タッピング型マイクロスタイラスを用いることで,スティックスリップ等の影響を低減し,計測の繰り返し性を10倍向上させることができた.
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