プロトン伝導性酸化物を利用した新しいタイプの燃料電池開発のための基礎研究
Project/Area Number |
08J02005
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Metal making engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今宿 晋 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | バリウムジルコネート / 中温型燃料電池 / イットリウム / 結晶粒界密度 / 相平衡関係 / カチオンの長距離拡散 / 結晶粒成長 / 硝酸塩凍結乾燥法 / 3価の金属元素 / 結晶粒界抵 / 交流2端子法 / 直流4端子法 / プロトン伝導度 / 混合ドープ / 2相分離 |
Research Abstract |
3価の金属元素をドープしたバリウムジルコネート(BaZrO_3)は、加湿雰囲気で、比較的高いプロトン伝導度(~10^<-3>Scm^<-1>)を示す。また、燃料電池の反応生成物であるCO_2およびH_2Oに対して安定であることから、中温(600℃程度)型燃料電池の電解質への応用が期待されている。中でもイットリウム(Y)をドープしたバリウムジルコネート(BaZrO_3)は電気伝導度が最も高い。しかし、従来の固相反応法で作製したYを15%ドープしたBaZrO_3(BaZr_<0.85>Y_<0.15>O_<3-δ>)焼結体は、50nm程度の結晶粒が多数存在し、平均結晶粒径が非常に小さく、そのため、電気伝導度を低下させる原因である結晶粒界密度が非常に大きくなっている。BaZr_<0.85>Y_<0.15>O_<3-δ>の相平衡関係を詳細に調べることで、その原因が、焼結温度(1600℃)と合成温度(1300℃)で相平衡関係の違いであることがわかった。つまり、BaZr_<0.85>Y_<0.15>O_<3-δ>は1300℃では二相分離し、1600℃では単相であり、結晶粒成長にはカチオンの長距離拡散が必要となり、結晶粒が成長しにくい。これによって、BaZr_<0.85>Y_<0.15>O_<3-δ>の焼結メカニズムを初めて熱力学および速度論的に解釈することに成功した。 また、この解釈をもとに、焼結中のカチオンの拡散距離を短くするために、焼結前の合成粉末の結晶粒径を小さくすることを考えた。硝酸塩凍結乾燥法によって得られた前駆体を低温合成することで、微細なYをドープしたBaZrO_3合成粉末を作製することに成功した。さらに、この合成粉末を焼結することで、組成が均一で結晶粒界密度がより小さい焼結体を得ることができた。この結果、長年の課題であったYをドープしたBaZrO_3の結晶粒界密度の低減に成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)