Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本年度は下記に示す(1)~(4)の項目について研究を実施した。 (1)CvNTRC/CvPrxのタンパク質レベルでの機能解析 両組換えタンパク質を0-500mM NaCl含有緩衝液内で反応させ,ゲルろ過クロマトグラフィーによる複合体検出ならびに分子量測定を行った。その結果,両タンパク質が形成する複合体ピークは塩濃度により異なる保持時間で検出された。また,100mM NaCl存在下で過酸化物分解活性が最大となったことから,本抗酸化系が環境条件により複合体形成様式を変化させ,その活性を調節する機能を持つことが示唆された。 (2)CvNTRC,CvPrx遺伝子同時発現酵母の作製とストレス耐性試験 CvNTRC,CvPrx遺伝子を単独または共発現する酵母を作製し,耐凍性,耐熱性,酸化ストレス耐性試験を行った。その結果,CvNTRCのみを発現,および両遺伝子を共発現する酵母において,全ストレスに対する耐性が増大した。さらに,酸化ストレス誘導剤であるメナジオン存在下で,両遺伝子の発現による超酸化物アニオンの蓄積抑制が観算された。本成果は,植物NTRCが関与する系の耐凍性,耐熱性への効果とin vivoにおける機能を初めて明らかにしたものである。 (3)植物用2遺伝子同時発現ベクターの改変 pRI101-ANベクターを用い,CaMV35SプロモーターからNOSターミネーターまでの領域をPCRで増幅し,制限酵素を用いてT-DNA領域に導入することで,2つの異なる遺伝子を個別に同時発現できるベクターに改変した。 (4)CvNTRC,CvPrxの植物発現用ベクターの構築と形質転換アグロバクテリウムの作製 CvNTRC,CvPrxの単独または両方を前項(3)のベクターに組み込み,植物発現コンストラクトを作製した。本コンストラクトをアグロバクテリウムに導入し,コロニーダイレクトPCRにより導入を確認した。今後,本形質転換アグロバクテリウムを用いてシロイヌナズナの形質転換を行い,本抗酸化系の耐凍性獲得への関与と機能を調べていく。
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