Project/Area Number |
08J02036
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩原 英久 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 金属酸化物光触媒 / 水の光分解反応 / 色素増感 / 電荷移動 / ポルフィリン / タンタル酸カリウム |
Research Abstract |
従来の研究で、紫外光下で水の光分解活性を示すKTaO_3をポルフィリン系色素で表面修飾すると、活性が向上することを見出した。本研究では、色素修飾KTaO_3光触媒の電荷移動過程の解明を試みるとともに、水の光分解活性のさらなる活性向上について検討した。 1電荷移動過程の解明:KTaO_3光触媒の蛍光寿命を測定したところ、色素修飾によってKTaO_3の蛍光寿命は数nsから数百psに減少しており、KTaO_3表面の色素へ速やかに電荷が移動することがわかった。色素修飾KTaO_3光触媒で水を光分解するためには、紫外光と可視光でKTaO_3と色素をそれぞれ光励起する必要があることから、色素修飾KTaO_3中の電荷移動機構は植物の光合成に類似した二段階励起であり、KTaO_3中の励起電子が色素へ移動することで電荷分離が達成されていることが明らかとなった。 2助触媒の複合による活性向上:金属酸化物とPtを複合して助触媒に用いると、Pt粒子が金属酸化物に内包されたコア/シェル構造が形成され、Pt助触媒上での逆反応が抑制されて活性が大きく向上した。さらに、昨年度に報告した修飾色素の複合効果と組み合わせることで、H_2及びO_2の生成速度はそれぞれ3.96及び1.98mmol g_<cat>^<-1>h^<-1>に達した。この生成速度はPt/KTaO_3光触媒のH_2及びO_2の生成速度と比較して約2000倍に向上しており、生成したH_2量と照射した光エネルギーから求められるエネルギー変換効率は、約0.05%と算出された。 以上の結果から、色素修飾は無機半導体光触媒の水の光分解活性を向上させる効果的な手法であり、長波長域に光吸収帯を有する色素を用いることで、太陽光エネルギーの有効利用が可能な光触媒の開発が可能であることを見出した。
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